※ Canon IN3000 ノート型PDA?
[2005/06/07]

 今日、面白い物、ノート型のPDA (CANON IN-3000) を見つけてしまいました。長女が生まれる前だから17〜18年前に購入したPDAです。ノート型なので大きいです。機能は今のPDAと殆ど同じ。何がすごいかと言えば17〜18年前なのにキーボードがありません。PalmやCLIEと同じようスタイラスを使っての入力です、すごいですよね。スタイラスでカタカナ入力で片仮名漢字変換ができるんです。

 この IN-3000 にはもっとすごい機能というか、今のPDAにも無いような電卓機能があります。今の PDA にも普通に電卓機能はあります。でも IN-3000 の電卓には数字や演算のキーがないのです。どうやって数式を入力するかと言えば紙に計算式を書くように入力します。そして最後に=を書くと計算結果が表示されるのです。今なら不可能ではないと思いますが、当時は感動物でした。

 いま、十数年ぶりに使っても感動し、実に新鮮な感じを持ちます。17〜18年前のマシンなのに、先人の凄さを感じるマシンです。


Canon Ai Note IN-3000

 最近使っている電卓はテキサス・インスツルメント社製のVoyage200です。Voyage200は数式処理ができるすぐれものです。三角形の3辺の長さから面積を算出する式(ヘロンの公式)はピタゴラスの定理からサッサと解いてくれます(ちょっと式は違いますが)。Voyage200は IN-3000 と同じく実に感動的な電卓です。何に使っているか、一般受けする例に何がありますかね。そうそう水晶発振子の周波数分周で使いますね。例えば発振子の周波数が 19.6608MHz で 1Hz の信号が欲しい時には


Factor(19660800/4) モ 2^16*3*5^2

 と実行します。結果から8ビットのカウンターを2つ使えば75Hzになる。後はこの信号で割り込みをかけ75カウントさせると1Hzの信号。ああ、上の式で周波数を4で割っているのは PIC を使ったときプリスケーラ・カウンターに入る時は 1/4 になっているからです。まあ Voyage200 はこんなときに使いますね(もったいないよな〜)。

 で、何で IN-3000 の話から Voyage200 が出てきたかと言えば、 IN-3000 の入力方法というか同じ形式で文字式が入力でき数式処理ができれば便利だろうな〜って思ったからです。17〜18年前にスタイラスでの入力が実用化されているのに、何で出来ないのか(製品が無いのか)不思議に思っている訳です。まあキーボードから入力した方が便利だと言われればそれまでなんですが。

 でも紙に数式を書いて悩んだ自分としてはスタイラスで数式を入力できるなら違和感無く処理ができ、また新しい発想が生まれるのではないかと。それに数式処理が出来る賢い紙があればバカな私でも何か新しい事ができるのではないかと。

 ペリーローダンの小説に出てくる付帯脳ですか、あんな感じになるのではと思っているのですが。不可能ではないと思うだけに残念です。

 何で CANON の IN-3000 は一発で終わってしまったんでしょうね。実にもったいない機能・発想・考え方です。同じような事を考えている方が居ないかとインターネットで検索しましたがまったくヒットしません。忘れられてしまったノート型のPDAだったんですね。実に残念です。CANON もプリンターやデジカメだけではなく Voyage200 のような電卓を作ってもらいたいと思います。

 そんな訳でインターネットでヒットするよう IN-3000 のメモを残したいと思いこのページを書いてみました。