■ 電子工作の流れ(プリント基板ができるまで)
● 構想を練る
一番は「小説を読もう!」でしょうか。普段の生活を忘れ小説を読んでいると、何故か面白いアイデアが浮かびます。 特におすすめは「異世界」ものです。最近ハマっているのが「銀河連合日本」 です。
● 最初はブレットボードで試す
図1
思いついたアイデアは、最初にブレットボードで試してみます。普通は回路図を描くと思いますが、最初に回路図を描き始めると、とんでも なく複雑な回路を描いてしまい、面倒で作る気がしなくなります。なので私は最初からブレットボードで回路を組上げていきます。
このブレットボードでの作業時間が一番長くなります。またブレットボードで組上げて終 りになる事の方が殆どです。例えば、実験で発振回路が必要になればブレットボードに組上げ、実験が終ったら廃棄します。
図2
一回しか使わないからと思っていても、次の実験でまた使う可能性があります。その度に ブレットボードに組上げるのも面倒なので汎用性のある回路はブレットボードに挿せるプリント基板として作っておきます(上記図参照)。まあ、電子ブロック の様な感じです。こうすることで作業効率が格段にあがります。
● 回路図を描く
ブレットボードで動作を確認したところで、初めて回路図を描き起します。これには「水魚堂の 回路図エディタ」を使っています。プリント基板を作るなら「回路設計CAD」にあるような専用の物を使った方が良いと思います。何故か、私は使えません。
● 配線図を描く
回路図から配線図を描きます。普通なら「回路設計CAD」にあるような専用のソフトでしょうが。私は Mac 使いなので、いつも使うのは Graffle です。この Graffle には配線図を描く機能はまったくありません。単なるお絵描きアプリです。でも、下記の様な配線図は描けます。
図3
この配線図を見ながら「ユニバー サル基板」に部品をハンダ付けしていきます。一個しか作らないのであればこれで十分だと思います。
● プリント基板用の原図を作る
複数個作る場合だとプリント基板にした方が楽です。そこでプリント基板を作ります。図 3の配線図からパーツを取り外したレイヤを作ります。
図4
このレイヤにパーツ用の穴を書込みます。また配線を太くします。更に隙間を線で埋めま す。そうして描いたのが図5になります。
図5にコーナを付け、線の色を黒にします。そうして出来たのが図6で、プリント基板 用の原画になります。
図6
この原画を bmp ファイルとして保存します。
● Gコードファイルを作る
プリント基板、普通は専門の業者に頼むと思います。でも私は手に入れるまで時間が掛か るのが嫌です。そこで自宅で手っ取り早く作れる方法を使っています。それは生基板を CNC フライス盤で直接削る方法です。ここでは上記で作った bmp ファイルから Gコードを作る方法を紹介します。
● DXF ファイルを作る
bmpファイルはビットマップ形式なので、CAD データの DXF ファイルに変換します(http://mosoku.fc2web.com/jw_win/jpgtodxf.html 参照)。私はいつも「Cutting」 を使っています。
図7:左右反転しています(裏面に削る為)
● DXF がら Gコードファイルを作る
この DXF ファイルから Gコードをファイルを作る作業をします。私はこの作業に Cut2D を使っています。確かオリジナルマインドさんから購入したアプリだと思います。
図8
● 切削する
できた Gコードを CNC フライス盤に送り切削します。制御アプリは ArtSoft社製のCNCソフト Mach3 です。起動しGコードを読込むと図9のようになります。Mach3 のライセンスもオリジナル マインドからだったと思います。Gコードが 500 行以内であれば無料なので試すにはもってこいです。でも上記の様な切削では簡単に500行を越えるので......
図9
図10:完成した回路切削基板
後は実行する事で回路切削基板が完成します。完成した回路基板を図10の上に示しま す。下はパーツをハンダ付けした物です。ちなみに、この回路基板は PIC を使った FIR デジタルフィルタです。
● おわりに
簡単に紹介してみました。電子工作の流れの概略はつかめたと思います。この回路はこ れで終了。使い勝手が良かったのでプレットボード用のモジュールパーツとして使う目的で回路基板として残していた物です。
以上
[2015/03/21 14:49:28] 初稿
[2015/03/21 16:13:06] フォントサイズ変更(16pt)