電動(インパクト)ドライバ用交換バッテリー


 [2015/04/20 11:33:54]


 スポット溶接機を自作する切っ掛けになった電動(インパクト)ドライバ用交換バッテ リーの製作。ふと思いついたのが先月の「ドリルのバッテリー(3/27)」。構想から約1ヶ月、ようやく完成したような感じである。ちょうどレン タルサーバを借り新しいホームページを作った頃に重なり、製作過程を紹介してきた。


(1)ジャンクを漁ってスポット溶接機を作る(未完成)

(2)溶接痕

(3)パルスアーク溶接用電極ヘッド

(4)パルスアーク溶接の跡 

(5)パルスアーク溶接機開発作業の様子

(6)パルスアーク溶接用電極ヘッドの改良

(7)スポット溶接用電極ホルダ


 記事を眺めると「電池タブ用スポット溶接機の開発」のはずが、関連するのは(1)と (2)だけで、他は作っている途中で派生したパルスアーク溶接に関する記事。本来の目的を忘れていた訳じゃないが、考え始めると色々な妄想で寄り道ばかり (私の性格がよく表れている)。


 で、当初の目的の電動(インパクト)ドライバ用交換バッテリーの製作ですが、一応完成 したので紹介しようと思います。


● はじめに


 完成した交換バッテリーを目の前にして、どのように紹介記事を書いたら良いのか、悩ん でしまいました。オリジナルのバッテリーケースを採寸し電動ドライバに差し込みできるよう 3D CAD で設計しただけです。オリジナルの形状を真似ただけなので特に工夫した部分もありません。どうせなら乾電池や普通に購入できる充電池を使ってみようとした のですが、バッテリーケースは大きくなるは、電池ホルダー接続部の接触抵抗は大きくなるはで、ボツ。結局はオリジナルと同じで電池タブをスポット溶接しオ リジナルと同じ大きさのケースに入れ込んだだけになっています。紹介記事も「充電池にスポット溶接で電池タブを付け、オリジナルと同じ大きさのケースに入 れ使える様になりました」で終ってしまう。まあ、単純で良いのかも知れません。


 そんな訳で「電動(インパクト)ドライバ用交換バッテリーの製作」記事は写真を見てい ただくと言う事で........


 途中経過、考えの変遷は思いつく度に「CalendarMemo 作者の独り言」に書き残しているので興味があれば読んでみて下さい。


● 結果

memoPicture001.jpg


 上記写真の上にある緑色の物が、10年程使って来たインパクトドライバ。結構力があ り、コンクリートに穴を空けるとか、スチール棚のネジ止めに活躍していました。中央に見える黒い物が、寿命になったバッテリーです。寿命になったとは言っ ても、まだ1~2回は使えます。問題があるとすれば、充電するとエラーになり、冷えるまで1時間程充電できない点でしょうか。使用頻度も少ないのでドライ バ本体は全く問題無しです。


 そんな訳で、交換バッテリーを作る事に。


注:交換バッテリーは「BP-1203」で検索すると「[BP-1203]EARTH MAN 電動ドリル ID-125 他 バッテリーセル交換」がヒット し、6千円弱で購入できるようです。本体と大差ない金額と言うのも?です。


 まず最初に考えたのは、同じ物を作るより、乾電池や普通に購入できる充電池、例えばエ ネループや格安の100円充電池を使える様にしたら面白いだろうと考えました。さっそく、何でも入れれる様に造形してみたら、上記写真の様に異様に大きな バッテリーケースができてしまいました。3D CAD で設計していた時には、そんなに大きいとは思っていなかったのですが、実際に目の前に現れると、異様に大きい、使えない事は無いが不格好。それでも、乾電 池や単三型の充電池が使えるなら便利だろうと思っていました。


 ところがです。写真右下にある電池ホルダー、これをその上のバッテリーケースに入れて 使う訳ですが、実際に乾電池を入れて試したところ。ドライバは回るのですが手で握ると止まってしまう位に弱いのです。乾電池は内部抵抗が大きいので、それ はあり得る。そこで電池の内部抵抗が小さいニッケル水素充電池に交換してみました。勢い良く回るのですが、それでも専用の物にはかないません。内部抵抗が 小さいニッケル水素充電池に交換しても大きな違いが無いということは、原因は電池内部抵抗ではなく別の所にある、ということになります。


 抵抗が生じる、考えられる所は電池ホルダの接点、電池を押さえる部分の端子です。これ が抵抗を大きくする原因になってるのではと考えました。で、その抵抗を調べる装置が無いと言うか、面倒なので単三型ニッケル水素充電池に電池タブを付け 10本直列にして試してみました。結果、勢い良く力強く回すことが出来ました。これで原因は電池ホルダーの接触抵抗であることが判明。


 以上の事から、乾電池や普通に購入できる充電池を使うという浮気はしないほうが良い。 オリジナルと同じ方法が一番であることが判りました。結局は、何の代わり映えもしない普通の交換バッテリーにする、と言う事に。


memoPicture002.jpg


 で、完成したのが上記写真左下に写っている交換バッテリーです。単三型充電池10本で あれば、ほぼオリジナルのバッテリーケースと同じ大きさにすることができました。変わっている点は、造形中にオレンジのフィラメントが足りなくなったので ダークブルーのフィラメントに交換した事で、バッテリーケースの色が二色になり、幼児の玩具っぽくなった点でしょうか。


 中に入れている10本の単三型充電池はダイソーで購入した一本100円のニッケル水素 充電池(1300mAh)です。最初の試験用に電池タブをスポット溶接した物で、もったいないので使っています。写真には接点が異様に長くなっているのに 気が付いたと思います。実はオリジナルはニッカド充電池仕様ですが、今回作ったのはニッケル水素充電池仕様。オリジナル用の充電器は使えないだろうと思い ます。そこで充電は何時も使っている定電圧定電流(CVCC)電源を使う事に。その充電用のワニ口クリップコードを挟むために端子を長くしています。


以上


● 備考

 電池タブ取付け用のスポット溶接機の開発。目的となった交換バッテリーが完成したの で、スポット溶接機に関しては、たぶんこれで終わりです。「スポット溶接は電池タブを取付ける事ができました」で終る面白みの無いものです。でも、スポッ ト溶接機から派生したパルスアーク溶接は色々と応用がききそうで興味深く何が生まれるか判りません。そんな訳で、パルスアーク溶接に関しては改良を続けた いと思っています。


● おまけ


memoPicture003.jpg

異様な大きさの交換バッテリーケース

乾電池が使えたら、この仕様になっていた。



 [2015/04/20 14:03:14] 初稿


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