パルスアーク溶接の動画(Auto Mode)


 [2015/04/22 09:09:21]


 またパルスアーク溶接をしている動画を撮影したので紹介します。前回はマニュアルモードで通電のタイミングをフット スイッチで指示するモードでした。マニュアルモードはスポット溶接時のモードでもあります。今回のパルスアーク溶接はオートモードで、母材と電極のコンタ クトを検出し通電を開始するモードで実行しています。




 見ていただきたいのは、通電開始直後にソレノイドアクチエータが起動し電極が自動的に後退すること。母材と電極に間隔が開 き、そこにアークが発生している点です。また、二枚の画像にアークが飛んでいる様子が見られ、アークは少なくても 17msec は維持している点です(動画は 60FPS)。


● キャプチャー画像


溶接の瞬間を通電前後でキャプチャーしてみました。

memoPicture001.jpg

Cap-1: 通電前です。

memoPicture002.jpg

Cap-2: 通電直後です。この時点を時間ゼロとします。

memoPicture003.jpg

Cap-3: 通電から約17msec(1/60sec)経過した時の画像です。

まだアークが飛んでいることが判ります(弱いですが)。

ソレノイドアクチエータで電極が母材から離れているのが判ります。

memoPicture004.jpg

Cap-4: 通電開始から約33msec経過した時の画像です。

既にアークは消えています。

飛び散った火花がまだ見えています。


 一つだけでは判らないので3回目の溶接時もキャプチャーしてみます。

memoPicture005.jpg

Cap-5: 通電開始直前

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Cap-6: 通電開始直後

memoPicture007.jpg

Cap-7: 通電開始から約17msec経過した時の画像

まだ奇麗にアークが維持されています。

memoPicture008.jpg

Cap-8: 通電開始から約33msec経過した時の画像

アークは既に消えていますが電極の先端が赤くなっています。

電極先端は、まだ600℃以上になっていることが判ります。


● 66000μF, 24V


 使用している電解コンデンサーは 22000μF x 3 個という、結構容量が少ない構成です。充電電圧は24Vで通電終了時のコンデンサーの電圧は 17V。これから計算するとエネルギーは約 9.5ws となります。意外に小さなエネルギーで溶接が出来るものだと驚いています。


1/2*(66000E-6*24^2 - 66000E-6*17^2);

    9.4710

.OK.


● 高速度カメラ


 高速度カメラ、欲しいですね。自分で作っていてソレノイドアクチエータの反応がどの程度なのか、まったく把握できていませ ん。たまたま、私が使っているカメラ(EDS60D)が 60FPS で撮影できたのでアークが 17msec 以上維持されていたのが確認できました。そうそう、アークが電極の先端から生じていると思っていたのですが 1mm 奥からもアークが飛んでいるようです。もう少し鋭く細く削るとアークが集中し高温になるのかも。



 [2015/04/22 09:54:24] 初稿


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