DaVinci の問題点


 [2015/03/25 08:38:09]


  私が使っている3Dプリンタ DaVinci には問題がありました。その問題と解決方法を紹介したいと思います。


(1) ヘッドのケーブルがヘッドに衝突する


memoPicture001.jpg


 10x10cm  程度の小さな物を造形している時には気が付きませんでし たが、Y軸方向に長い物を造形していると上記写真にあるケーブルがヘッドの鍔?に衝突しヘッドの移動を妨げます。DaVinci のモーターはステッピングモータなのでオープンループ制御です。位置は造形開始直後にキャリブレーションし、ヘッドはステッピングモーターに与えた指示の 通り動いている事を前提にしています。ケーブルがヘッドに衝突しステッピングモーターがストールすると位置がズレたまま造形し続けます。


● 解決方法


memoPicture002.jpg

 ケーブルがヘッドに衝突しないよう上記写真の様なコードハンガーを付ける事にしまし た。φ6mmのステンレスパイプに結束バンド(柔らかいもので取外し可能)を通し、ケーブルがヘッドに衝突しないようにしています。


memoPicture003.jpgダウンロード: codeHanger.zip


使ってみたい方はリンクから STL ファイルをダウンロードして下さい


(2) ヒーターケーブルコネクタが壊れる


 ケーブルがヘッドの鍔?に衝突すると、色々な不具合が生じます。(1)で紹介した様 に、ヘッドの移動を妨げ位置がズレたまま造形し続けます。これだけではなく、エクストルーダのヒーターケーブルコネクタが弱い様で、壊れてしまいます。


 外目からは壊れているようには見えなくても、造形中にヘッドから周期的な音(ガタン・ ガタン・・・・)がしたら、ヒーターケーブルの接触不良を疑って下さい。この音はエクストルーダの温度が低下しフィラメントの送り出しができない状態で す。また、造形物に縞状の抜けが見られたら、これもヒーターケーブルの接触不良を疑って下さい。


 この問題に関して、一度修理にしてもらったのですが、数回使ったらまだ同じ状況です。 コネクタ部を触ってみると高温になっています。一番の問題はケーブルが短い事。二番目はケーブルの保護を考えていなかった事だと思います。


● 解決方法

memoPicture004.jpg


 一番簡単な方法として、コネクタの使用を諦め、エクストルーダのヒーターケーブルを 直接ハンダ付けすることにしました。この方法をとってから、これらのトラブルはまったく生じなくなっています。残念ながら上記写真ではハンダ付け部は絶縁 チューブの中にあるので見えません。


(3)備 考


 10x10cm 程度の小さな物の造形ではヘッドの移動範囲は狭く、上記の様な問題は頻繁には発生しないと思います。でも、ヒーター加熱時にケーブルやコネクタに触ると熱 くなっている事が確認できます。加熱・冷却の繰返しでコネクタやケーブルにショックを与え続けることになり、結局はヒーターケーブルの接触不良・断線にな ると予想されます。


以上


 


[2015/03/25 09:56:42] 初稿


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