パルスアーク溶接の跡


 [2015/04/06 11:42:07]


● 戦いの跡


溶接試験の様子

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 一番最初に試したもの。全体にある丸い跡は溶接条件を決める為の試験で試した溶接の跡。このまま捨てるのはもったいない と、3枚のスチール板を溶接してみた。思っていた以上にしっかりと溶接されている。電池タブは 0.1mm厚のニッケルリボン。スポット溶接のかわりにパルスアーク溶接が使えるか試してみた様子。使えそうだがリボンが瀑散し穴が空く。スポット溶接に はかなわないと思う。


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 アークが安定して飛ぶ様になった頃の試験の様子。上がアークを飛ばした面。下が裏面。裏側にまで溶接の効果を及ぼしている のが確認できる。裏面で丸い跡の中心が小さく白く写っている(この部分は凹んでいる)。一旦溶け、再度固まったのではと想像している。上記写真のスチール 板。板を切断し、パルスアーク溶接で溶接してみた様子。溶接痕は汚いがしっかり溶接されている。溶接部を割ろうと思っても手では無理。


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 溶接試験後のタングステン電極の様子。金属ヒュームが付着し黒く変色しているのが判 る。電極ヘッドには ABS 樹脂を使っている。ABS 樹脂の耐熱温度は約90℃。ABS 樹脂は強いが耐熱性があまり良い材料ではない。でもパルスアーク溶接ではアークを飛ばす時間が短く殆ど熱くならない。というより加熱時間は長くても 10msec なので、電極は直ぐに冷めてしまう。耐熱性の悪い ABS 樹脂で電極ヘッドキャップを作っても、全く影響は無い。キャップの先端が黒くなっている。これは金属ヒュームが付着した結果である。これを見たら、結構な 量の金属ヒュームが発生しているのが判る。職業病の金属ヒューム熱、これが心配なのでマスクは必須だな!



 [2015/04/06 12:16:42] 初稿


© 2015 Nishimura Hiromi (NiS-Lab)